Mynavi Will
“マイナビのため”が“社会のため”に。 マイナビの取り組むべきSDGsの項目とは?
サステナビリティとは、人間を取り巻く自然環境や社会、経済などが未来に向けて長く持続することを目指す考え方のこと。日本語では“持続可能性”と訳される。
近年この言葉を目にする機会が多いのは、激しい環境変化の中で、その重要性が増しているからだろう。
マイナビでは2024年1月にサステナビリティ推進部を設立し、企業として取り組みに力を入れている。同部部長として活動を牽引している大仲美幸に、その取り組みを聞いた。
社会貢献に留まらないサステナビリティ
2023年に創業50周年を迎えたマイナビは、 “サステナビリティ推進部”を新設した。その背景には、どんな経緯があったのだろうか。
「マイナビのサステナビリティへの取り組みは、実際にはサステナビリティ推進部ができる3、4年前からスタートしていました。初めはSDGs推進プロジェクトが発足し、持続可能な社会の実現のために優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の特定などと進んでいきました。ただ、ある目的に限定し期間を区切ったプロジェクト的な進行では、全てを網羅することはできません。マイナビは現在グループ全体、国内外で1万人を超える規模に成長しています。社会に対しても影響を与えている規模の企業である以上、きちんと専任の部を新設して進めていこうということになったのです。」(大仲美幸、以下同)
大仲は、2008年に入社以降、転職情報事業本部(現:ライフキャリア事業本部)の統括部長を務めるなど、一貫して営業に従事してきた。サステナビリティの推進がマイナビの重要な課題だとはいえ、その旗振り役を任されることに戸惑いはなかったのだろうか。
「サステナビリティという言葉も時々耳にしてはいましたが、それを推進する部署で、自分はいったい何をすれば良いのか、着任当初は想像がつきませんでした。“私、何をするんでしょうか?”と訊いたこともあるのですが、漠然としていて、何から取り組むべきかわからない状況でした。いろいろなことに取り組んできた今では、その実態が見えてきたように感じます。」
サステナビリティとは何か?と問われ、すらすらと答えられる人は、なかなかいないのではないだろうか。大仲もその一人だったが長く“営業”に従事してきたからこそ感じるものがあったのだという。
「サステナビリティというと社会貢献のようなイメージが強いと思います。マイナビが進めている『中学生向けキャリア教育の出張授業』などは確かにそういった側面もあります。しかし、企業にとってのサステナビリティとは、単なる社会貢献活動だけではありません。将来的に事業活動の拡大につなげるための取り組みであり、人権問題への取り組みや、事業活動が法令遵守の下に行われるような仕組みを作ったりなど、経営に直結するような取り組みも多いのです。事業活動や経営に直結する考え方は、以前やっていた営業の仕事とも通じるものがあり、とてもしっくりきます。」
中学生向けキャリア教育の出張授業の様子
サステナビリティを経営戦略として共有する
その言葉の通り、サステナビリティへの取り組みが、まさに経営に直結すると実感する出来事が、着任後間もなくあったのだという。
「まだ数カ月も経たない頃だったと思いますが、マイナビの人権方針を掲げるという重大なミッションが課されました。当時はサステナビリティ推進部といっても私ひとりですし、会社全体のことを把握するまでには至っていない……と思いましたが、やるしかないですから。国内外の企業の人権方針を細かく調査して、もちろん各部の協力を全面に受け、マイナビグループとしての人権方針を作り上げました。」
できあがった人権方針は、本社のみならず、グループ会社にも共有され、説明が行われた。その直後、あるグループ会社から大仲に問い合わせが入った。
「実は、海外のある大きな会社と取引が始まるかもしれないのだけれども、先方からマイナビグループが掲げる人権方針を提示してほしいと訊かれていると。日本語版の人権方針は見たけれども、英語版はあるのかという問い合わせでした。ちょうど英語版も作り終えたところだったので、これをどうぞとお渡ししたところ、とても喜ばれました。」
海外の企業との取引を、大仲が手がけた人権方針は、まさにベストなタイミングで後押しすることになったということだ。サステナビリティを推進することが、社会のためはもちろん、一企業のためにもなるという好例だろう。
「先日外部の講師の方を招いて、役員向けにサステナビリティ研修というものを行いました。サステナビリティというと、まだどうしても社会貢献やCSRというイメージに限定されてしまいます。でも、こういう研修を通してマイナビの経営戦略のひとつとして組み込んでいくことが大事だという意識が広がっているので、これからマイナビのサステナビリティの推進力はさらに上がっていくのではないかと思っています。」
社員一人ひとりのサステナビリティに対する意識を高めるには
サステナビリティを推進していくにあたって、避けては通れないのがSDGsとしてまとめられた17の目標だ。マイナビとして、SDGsにはどのような考え方で取り組んでいるのだろうか。
「SDGsは、どちらかというと世界共通の個人の目標という考え方が前提としてあり、マイナビグループの企業活動としては、社会課題の解決を重要な取り組みだと考えているので、SDGsの中の『4“質の高い教育をみんなに”』、『5“ジェンダー平等を実現しよう”』、そして『8“働きがいも経済成長も”』などを優先して取り組もうという意識は強いですね。マイナビのパーパスにある“一人ひとりの可能性”というのも、これらと密接にリンクしてくることですから。」
“一人ひとりの可能性”ということで言うと、今後は、社員一人ひとりのサステナビリティに対する意識も、より高めていく必要がある。今年2月からは、社員向けの“サステナビリティ基礎研修”と“人権基礎研修”がスタートした。
「サステナビリティに取り組むことは、社員一人ひとりの活動や、会社全体にとっても大事なのだということを知ってもらえたら嬉しいです。さきほど人権方針の話をしましたが、人権を尊重するというのは、ただ社内でハラスメントをしないとか、コンプライアンス違反をしないといったマイナビグループ内だけの問題ではありません。マイナビのサービスを使っていただいているユーザー、取り引きしていただいている企業など、視野を広げて考える必要があります。そういう莫大な数の方々に向けてマイナビグループが発信していく、一緒に取り組んでいきましょうと伝えることは大きな力になるのではないでしょうか。」
(まとめ)
創業50周年を迎えたのを機に“サステナビリティ推進部”を新設したマイナビ。持続可能であることは、第一に社会貢献のためである。ただ、グループ全体で社員1万人以上を数え、取引先の数も多い大手企業として、取り組みが他社そして他者に与える影響は多大だ。今後は社員の一人ひとりへのサステナビリティ研修活動にも力を入れていくというマイナビに期待が寄せられる。
(Profile)
大仲 美幸(おおなか・みゆき)
株式会社マイナビ サステナビリティ・トランスフォーメーション推進室 サステナビリティ推進部 部長
2008年、株式会社毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)入社。転職情報事業本部(現・ライフキャリア事業本部)の大阪営業課に配属。2015年、福岡営業課へ異動し、2017年九州で営業部長に就任。2019年からは東京本社にて同事業部の統括部長を務める。2024年1月、新設されたサステナビリティ推進部部長に就任。現在にいたる。
【取材・文:定家励子(株式会社imago)】
【写真:吉永和久】