株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、20~50代の既婚女性を対象とした、「主婦のアルバイト調査(2023年)」の結果を発表しました。(回答数:就業者1,753サンプル、非就業者1,645サンプル)
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【TOPICS】
◆「年収の壁」が撤廃された場合にもっと働きたいと考える主婦は約6割。最も多い理由は、「貯金をするため」。若年層ほど老後の資産に対する不安の声が多い結果に【図1、2、3、4】
◆配偶者の育児休暇について、最も取得割合の高い年代である「20代」においても、取得希望割合とのギャップは26.7pt【図5】
◆学びなおしの必要性を感じている主婦は54.7%に対し、実際に取り組んでいるのは13.0%。必要性を感じる理由は「収入を増やしたいため」が前年比で最も増加【図6、7、8】
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【調査概要】
<「年収の壁」への意識について>
20~50代の主婦に、就業調整の実施(年収を一定額以下に抑えるために就労時間を調整すること)状況を聞いたところ、「就業調整はしていない」が44.9%と最も多く、次いで「配偶者の社会保険の扶養となる限度額を超えないようにするため調整(130万円の壁)」が23.0%、「自分の所得税の非課税限度額を超えないようにするため調整(103万円の壁)」 が18.8%となった。2022年10月に社会保険適用が拡大し、アルバイトが保険加入しやすくなったことを受けて、「就業調整はしていない(44.9%)」が前年より+4.2ptと最も増加したものの、依然として主婦の約6割は「年収の壁※1」を超えないように就業調整を行っていることがわかった。【図1】
※1 年収の壁:世帯主の扶養の範囲から外れる年収のこと。配偶者の年収がその金額に達すると税金や社会保険料の負担が発生する。
「年収の壁」が撤廃された場合の就労意欲について聞くと、「現在の雇用形態でもっと働きたい」が43.8%と最も高く、次いで「現状維持が良い」が34.5%、 「雇用形態を転換(非正規→正規、有期契約→無期契約など)してもっと働きたい」 が14.6%となった。現状よりももっと働きたいという回答は58.4%(「現在の雇用形態のまま」+「雇用形態を転換して」)で、年代別では、20代が70.3%と最も多く、次いで30代で64.8%と若年層を中心に就労意欲が高くなった。今後「年収の壁」制度が撤廃されると、現状よりも働く意欲のある主婦が全年代で半数を超えることがわかった。【図2】
もっと働きたい理由としては、「貯金をするため」が73.2%と最も高くなった。老後に働かなくても暮らしていける程度の資産を保有していると思うか聞いたところ、「全く足りないと思う」が前年より+5.8ptの66.9%と最も高く、次いで「ギリギリ足りる程度保有していると思う」が18.2%となった。年代別では、保有していると思う(「十分保有していると思う」+「ギリギリ足りる程度保有していると思う」)割合が、50代で29.5%と最も高く、20代で14.8%と最も低くなった。若年層ほど、貯金額に不安を持っており、物価高や年金問題などの影響も受け、将来への不安感から貯金をするためにもっと働きたいと考えている人が多い様子がうかがえる。【図3、4】
【図1】就業調整の実施状況(複数回答) ※ベース:現在アルバイト就業中
【図2】「年収の壁」がなくなったら、現在よりもっと働きたいと思うか(単一回答)
※ベース:「就業調整をしている」と答えた人
【図3】「年収の壁」がなくなったら、現在よりもっと働きたいと思う理由(複数回答)
※ベース:年収の壁が撤廃された場合に「もっと働きたい」と答えた人(回答数944)
【図4】老後、働かなくても暮らしていける程度の資産(金融資産・不動産)を保有していると思うか(単一回答)
※ベース:現在アルバイト就業中
<配偶者の育児休暇取得について>
子供がいる主婦に配偶者の育児休暇取得について聞いたところ、「取得経験はないし、してほしいとも思わない/思わなかった」が最も高く71.6%となった。年代別では、「取得経験がある」「取得経験はないが、取得してほしい/してほしかった」は若年層ほど高くなり、最も高い20代は「取得経験がある」が9.8%、「取得経験はないが、取得してほしい/してほしかった」は36.5%となった。年代別で最も高い層でも取得経験割合と取得希望割合の差は26.7ptと大きくなった。2022年10月から「産後パパ育休(出生時育児休業)※2」や「育児休業の分割取得※3」が施行され、配偶者の育児休暇取得の促進が行われているものの、取得希望と実態にはまだ大きな差があることがうかがえる。【図5】
※2 育休とは別に子どもが生まれてから8週間以内で休業できる制度
※3 子どもが1歳になるまでの育児休業を分割して2回取得することが可能となること
【図5】配偶者(夫)の育児休暇を取得した経験と配偶者に育児休暇を取得してほしいと思うか(単一回答)
※ベース:現在アルバイト就業中で子供がいる人
<学びなおしについて>
学びなおしの「必要性を感じている」主婦は54.7%と半数を超えたものの、「取り組んでいる」割合は13.0%にとどまった。年代別では20代が「必要性を感じている」割合(65.7%/前年比:+13.4pt)と、「取り組んでいる」割合(18.1%/前年比:+0.6pt)はいずれも最も高くなり、前年より必要性を感じる人が大きく増加した。必要だと思う理由としては、「収入を増やしたいため」が前年より+8.1pt の55.9%と最も高く、次いで「自分ができる仕事の幅を広げたいため」が55.6%となった。物価上昇により経済的なゆとりがない人が増加したことで、収入アップという目的を持つ人が大きく増加したと考えられる。また、年代別でみると、20代は「正社員になりたいため(33.1%/全体比:+21.7pt)」、「転職したいため(25.0%/全体比:+10.5pt)」が全体より10pt以上高く、正社員への転換や、転職などのスキルアップのために学びなおしの必要性を感じている人が多いとみられる。【図6、7、8】
政府による「リスキリング(学びなおし)支援」の強化が表明されているが、今後、支援制度が拡充されることで、必要性を感じる人と実際に取り組んでいる人との割合のギャップが埋まっていくことに期待したい。
【図6】学びなおしの必要性と取り組み状況(単一回答)
※ベース:現在アルバイト就業中
【図7】20代の前年比較 学びなおしの必要性と取り組み状況(単一回答)
※ベース:現在アルバイト就業中
【図8】学びなおしが必要だと思う理由(複数回答)※ベース:「学びなおしの必要性を感じている」と答えた人
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マイナビ『主婦のアルバイト調査(2023年)』
■調査地域:全国
■調査方法:インターネット調査(「アルバイト就業者調査(2023年)」より主婦サンプルのみ抽出し算出)
■実施期間:2023年2月15日(水)~2月20日(月)
■対象者:20~50代の既婚女性
■回収数:就業者1,753サンプル、非就業者1,645サンプル
■ウェイトバック方法:「平成29年就業構造基本調査」の結果を元にウェイトバックを行った
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