株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の企業、個人それぞれを対象に実施した「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2024年5-6月)」の結果を発表しました。
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<TOPICS>
◆非正規雇用における企業の求人ニーズは個人の求職ニーズを8.2pt上回り、売り手市場が続く【図1】
◆2024年度最低賃金改定に対し、4社に1社が「引き上げるべきではない」と回答。引き上げが行われた際の対応策では、「正社員の労働時間の短縮」「非正規社員の労働時間の短縮」が上位に【図2、3】
◆約3人に1人がスポットワークの仕事を「探した」と回答。今後スポットワークを探したい人は8%【図4、5】
◆7割以上が入社後研修を「丁寧にしてほしい」と回答。研修スタイル・研修期間の理想と現実にギャップがみられる結果に【図6、7】
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【調査概要】
◆非正規雇用における企業の求人ニーズは個人の求職ニーズを8.2pt上回り、売り手市場が続く
企業の求人ニーズ(24年5-6月に非正規雇用者の採用活動を行った企業の割合)は25.4%(24年3-4月比:0.3pt増、23年5-6月比:1.4pt減)となり、個人の求職ニーズ(24年5-6月に非正規雇用の求職活動を行った個人の割合)は17.2%(24年3-4月比:0.7pt増、23年5-6月比:0.2pt減)となった。求人ニーズが求職ニーズを8.2pt上回っており、採用が困難な売り手市場が続いている様子がうかがえる。【図1】
【図1】
◆2024年度最低賃金改定に対し、4社に1社が「引き上げるべきではない」と回答
引き上げが行われた際の対応策では、「正社員の労働時間の短縮」「非正規社員の労働時間の短縮」が上位に
2024年度の最低賃金改定で賃金を引き上げるべきか聞いたところ、「最低賃金の引き上げはせずに、現状の金額を維持するべき」が22.4%、「最低賃金を引き下げるべき」が4.5%となり、4社に1社が最低賃金引き上げに難色を示す結果となった。
最低賃金を引き上げるべきではないと回答した企業を業種別にみると、[サービス]が35.0%(全体比:8.1pt増)で最も高く、[小売]30.7%(全体比:3.8pt増)、[飲食・宿泊]27.8%(全体比:0.9pt増)と続いた。これらの業種は、「引き上げるべきではない」が低い[ソフウェア・通信][医療・医療福祉]などの業種に比べて非正規比率が高く、事業運営のために多くの人員を必要とする業種でもあり、1人あたりの賃金のベースアップによる人件費の負担が大きいと考えられる。
また、2024年度に最低賃金引き上げがあった際の対応策では、「正社員の労働時間の短縮」「非正規社員の労働時間の短縮」「売上増に向けた新たな販路の拡大」が24.2%でトップに並んだ。【図2、3】
【図2】
【図3】
◆約3人に1人がスポットワークの仕事を探したと回答
今後スポットワークを探したい人は51.8%
24年5-6月に非正規の仕事を探した人のうち34.5%が「スポットワークの仕事を探した」と回答。また、今後スポットワークを探したいと答えた人は51.8%に上った。多くの年代で就業意向が5割程度となっており、幅広い世代でスポットワークが浸透しはじめていることがわかる。
パート・アルバイトと比べたスポットワークのメリットを聞いたところ、求職者側は「単発性」「時間の有効活用性」が上位となり、企業側は「時間の融通性」「単発性」が上位となった。求職者・企業側ともに時間融通が効きやすいこと、単発であることで双方のメリットが合致しており、マッチングの高さがうかがえる。【図4、5】
【図4】
【図5】
◆7割以上が入社後研修を「丁寧にしてほしい」と回答
研修スタイル・研修期間の理想と現実にギャップがみられる結果に
直近3年以内に非正規雇用の仕事を経験した人のうち73.2%が、入社後研修(入社後おおむね半年以内に行われる新人研修)を「丁寧にしてほしい」と回答した。
企業が行う研修では、「口答指導メイン」が48.6%、「マニュアル指導メイン」が27.3%となり、口答指導が主流となっている。一方で、個人が望む理想の研修では、「口答指導メイン」が36.6%、「マニュアル指導メイン」が38.5%となり、マニュアル指導が口答指導を上回った。
また、企業が行う研修では、「基礎スキル重視(基礎スキルを覚えたうえで実践へ移る)」が32.5%、「実践スキル重視(実務をしながら実践スキルを覚える)」が39.1%で、実践スキルを重視としている。しかし、理想の研修では、「基礎スキル重視」が39.1%、「実践スキル重視」が30.0%となり、基礎スキル重視が実践スキル重視を上回った。【図6、7】
【図6】
【図7】
【調査担当者コメント】
2024年度の最低賃金改定を前に、企業の賃金引き上げへの懸念がうかがえました。昨年度から続く賃上げの気運の高まりによる他社と足並みをそろえる形での賃上げや、物価高による人件費の負担増加など、企業側の苦慮が推察されます。
また、スポットワークが社会に浸透しつつあります。求職者視点では空いた時間に効率よく働く手段として、企業視点では局所的に必要人材を補う手段として、双方のニーズが重なり今後さらに普及する見込みです。
人材獲得に向けて、企業は賃金を上げていくことも求められますが、それだけでなく、「効率よく働きたい」という求職者ニーズも考慮しながら、多様化する就労スタイルを活用した適切な人員配置を行うことも一つの有効策です。個々の労働力を高めるための教育の充実も含め、人件費への投資を生産性の向上に繋げる仕組みを考える必要があると思います。
キャリアリサーチラボ 研究員 宮本 祥太
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『非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2024年5-6月)』
■調査期間/
企業:2024年7月1日(月)~2024年7月10日(水)
個人:2024年7月1日(月)~2024年7月4日(木)
■調査方法/WEBアンケート調査
(調査主体:株式会社マイナビ/アンケートモニター提供元:外部調査会社)
■調査対象/
<企業>
スクリーニング調査:従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人
本調査対象:上記のうち、自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握しており、直近2カ月以内に採用活動を行った又は新規採用を行った人
<個人>
スクリーニング調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)
本調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、直近2カ月以内に非正規雇用の仕事探しをした人
○調査機関/自社調べ
○有効回答数/
企業…スクリーニング調査:15,500名 本調査:887名
個人…スクリーニング調査:16,500名 本調査:1,576名
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